オレゴンにて
マイケルは、「Beat It」のメロディ経由で知った。メロディを聴いたのは、中1の夏。オレゴンに一ヶ月間ホームステイした時のことである。
4Hフェアという農業系の祭りが1週間ほどあり、ホスト家族と参加した。12人家族でシングルマザーのため、マムはものすごく怖かった。そして自分を含む子供たちは、一日中ブタの見張りという退屈な日々を送る。そんな中、いたずらっ子たちは大人の目を盗みゲームコーナーへ。自分も何度かついていった。そこでみんながハマっていたゲームは、ギターヒーロー。(ギター版の太鼓の達人的なやつ)
ある日。一人の少年がやってきて、ギターヒーローを始めた。彼はギターのゲーム機を持ち、一番難しいコースを設定。そして画面に背を向け、ゲームをスタートした。その後なんと、画面を見づにノーミスで次々と曲をクリアしていく。その光景にみんな釘付けになった。なぜなら自分を含めみんな、初級すらクリア出来なかったから。もはやライブ状態。完全にくらってしまった。そして彼は何事もなかったかのように、その場を去った。その姿、まさしくギターヒーロー。その後そこで何度か流れたメロディが、頭から離れなくなった。帰国後、アーティストと曲名を調べたら『Michael Jackson-Beat It』。
人生初のCD購入
その後、中学でマイケルにドハマり。全アルバムを集めるため、お年玉をふり絞った。小遣い制が無いため3年かかったがその分、愛着がある。しかしオレゴンに行く直前、悲しいことにマイケルは亡くなっていた。よって自分は『This Is It』から坂もぼるように、アルバムを集めた。またDVDやYoutubeでライブの映像なども観まくり、見様見真似でコピーもした。
その後ひょんなことから、高校でBreakinを始めることに。最初はロボットダンス(マイケルがBillie Jeanでやってたダンス)をやろうとしていた。
スタンス
現在、マイケルとはかけ離れたダンスをしている。確かにマイケルにはハマったし、今でも好きでたまに聴く。もちろんリスペクトもしている。しかし今の自分のスタンスを創ったのは、間違いなくギターヒーローの彼だろう。何のためになるのか分からないようなことが、度を超して外部に漏れ出る。そんな一見、バカげた無意味で本気のインパクトにこそ本質が詰まっている気がする。
ギターヒーローの彼、名前でも聞いとくんだったな。