今年もチーム[La gadoue Badaboum]のみんなとCrew Battleに参加した。さらに今年はクラウドファンディングもあり、そのリターンでステージパフォーマンス(3分)もやらしていただいた。
バトル
今回は今のメンバーでの初のフルメン出場。 皆めちゃくちゃカマしてて胸アツだった。
結果から言うと予選落ちで残念、無念、また来年だった。しかし自分たちを予選で上げるようなジャッジは頭が狂っていると思っていたため、EAST END風に言うと「DA.YO.NE」って感じ。だが自分たちが上がった方が絶対どこよりもヤバいこと出来るから、次こそは這い上がる!とか言っとく。ただ正直いうと最初にヨネスケとリンゴを誘った時点で、リーダーの私の思考はキャパオーバー。何か科学反応的なのが起きるまでやり続けるしかない。というか気軽に楽しく本気でやろうと思う。
ステージパフォーマンス
初めは皆から反対されていたステージパフォーマンス。愛犬が亡くなり思いたった私は、クラファンのステージパフォーマンスをポチっとして、チームを道連れにした。「道連れ」の意味は、本番まで一ヶ月を切っていること。さらに予定上一回も全員で合わせれずに、当日を迎えるということだ。半ばぶっつけ本番。チームの皆には、こんな計画性の無い事に付き合ってもらい感謝しかない。
そのショーがこちら。音の著作権上Youtubeには上がらないと思うので、観たい方はこちらでコッソリ。ただこのショーは、全体を引きで観る人向けに創られているため、動画では空気感など伝わりにくくなってる。それはそれで現場至上主義ということで結果オーライ。
大まかなショーの詳細
- 時間 :3分
- ステージ :幅12.7m、奥行き8m
- 人数 :6人
- 条件 :HIPHOPに精通するパフォーマンス
- コンセプト:情報量が多い
- 構成 :ソロまわし
- 曲 :Kraftwerk-Tour de France (Taber remix)
まず当日まで時間がないため構成は、すぐさまソロまわしに決定。 そして情報量がヤバい内容を創り、曲は逆胴さんおすすめの数曲から多数決で決めた。ギリギリまで正式な曲名が分からず、主催の方には 「Kraftwerk-Tour de France 」とだけ伝えてしまったため、著作権にひかかったのはこれが原因かもしれない。ただ現場限定というの、ちょっとロマンティックで良しだろう。
ショーの内容は練りに練った。集まれないなりに、しっかり実現可能なことを考えなければいけない。 そして集まれる人だけで練習出来る、本番までの回数は3回。
情報量
内容についてはよく話し合った。結果、「ただのソロまわしではショーをやる意味がない、バトルで十分」ということで、情報量が多いショーをコンセプトにすることに。
また情報量の定義は早急に模索した。例えば、複数の人がただ別々の動きをしていれば情報量につながるのか・速度の違い、ステージ上での人の高さの違いなのか・角度なのか・はたまた物語の同時進行なのか・またはキャラクターのぶつかりなのか・などなど。今の6人が当日までに1日で覚えれる範囲で、ステージ上の情報量を足していった。
さらに情報量が多い事については、「動物園っぽくならないか」またストーリーを演出するなら「ミュージカルっぽくならないか」という話が出てきた。自由ゆえのバラバラ感。物語ゆえの演技感。どれも違う気がする。これらを中々3分のショーで形にするのは難しかった。
だが個人的にもグチャグチャだけど、なぜか成立している状況を創りたかった。なぜなら、とにかくお堅いHIPHOPが私は嫌いで、グチャグチャ感がそれを解決してくれるから。結局、皆が観戦者&感染者になったらシーンはつまんなくなる。 2004年のrapper’s delightのライブなんかは最後の方がグッチャグチャで、、、もう最高である。
最後に客席の後ろの方でサイファ始めた人たちは、いてもたってもいられなかったんだろう。
情報量でいくと、インド映画はもう爆発してる。例えば踊るマハラジャとか。
何が良いかって情報量が多すぎて全然わかんないのに、終始うれしそうで何やっても正解なところだ。
少し脱線したが、まぁそういう事である。全部やればいいんだ。日本的なシュールでレトリックな演出も、全人類が秘めるバイブス、パッションも全部。
また情報量を増やすことになり、カウントやタイミング、配置の設定が増えてこんがらがってしまい、私は数日徹夜することになったわけだが。確実に省エネではない。観る側と同じぐらい、創り手もこんがらがった。
情報量の内容
分かる範囲での情報量はこちら。 これらをそれぞれ同時に、ステージ上に創るようにした。
- 速度 :速い・遅い・止まる
- 高さ :高い・中間の高さ・低い
- つながり :速度・高さ・動き・それぞれの物語のつながり
まずメインは、直立する人(止まっていて高い人)と踊る人(速くて中間の高さの人)が同時に居る状況。最初は止まっている方に視線はいくが、動く人数が増えると視線は変ってくる。また全員止まると視線はバラけて均等に。そういった人数による視線の変化も情報量の一部だ。その他にも、変化の種類による情報量も盛り込んだ。
比率
まず訳の分からないのショーをする上で大事なことは絵面だ。少し意識したのは数を奇数に分ける事。例えば3人の時は等間隔(1:1:1)に分けるのではなく、2:1に分けた。ただソロムーブ以外の話である。
また最初だけは逆胴さんと私で左右1:1の均等になってしまうため、私は低くなり高さで変化を付けた。さらに感覚的に絵面のバランスを整えるため、客席から観て左側で逆胴さんに直立してもらい、反対で私が低めに止まった。理由は、「左側の方が感情・芸術的にものを捉える」と、どこかで読んだ気がするから。今回は逆胴さんとヨネスケとのつながりを際立たせるべく、左側には逆胴さんに立ってもらった。
ただ反対がただ止まっているだけだと、感情的に強い左側に視線が偏り、ステージバランスが崩れる。つまり全体から観た左側ではなく、本当に左だけになってしまう。そしてステージの余白の面白みが無くなるなる。そのため右側はスキルで補い、あくまでステージ全体で観た時の左側を際立たせたつもりだ。そのせいで私の左手首は数時間 麻痺したわけだが。
また最後だけは等間隔に並び、全員で同じ振りをした。これは人の立ち位置の比率パターン(情報量)を増やすと同時に、対象性特有のシンボリズムで最後を締めくくろうという魂胆である。
つながり
ただ情報量が多ければ良いという訳でもない。 バラバラでグチャグチャの中にも、つながりがなければ。漫画で言うところの、本編と番外編の違いである。番外編は物語とのつながりは薄く、別のものとして描かれる。たった3分のショーに、番外編などやってる暇などない。
今回はバラバラの中にも一つのストーリー性を持たせようとしたが、全員一致の共通点が見つからなかったため挫折。そのためそれぞれのストーリーやキャラクター、ポージング、速度などでつながれる人だけで、それぞれ共通点をもたせた。そのため時系列的に観ると、全員は間接的につながっているショーとなっている。
結果、初見では何が起こっているか分からないショーになった。 分からないもどかしさについては、絵面のエグさで補ったつもりだが、どうだったのだろう。 しかし10回ぐらい観ると何となくそれぞれがつながっていて、何となく分かるショーになっている。だが引きの画角でちゃんと音声の入った動画はないため、現場で観ていた人の記憶に残れば幸いである。
まとめ
今回は、ショー創りの大変さを改めて理解できた。練習回数が限られている中、計画的に進めなければショーは完成しない。ショーが形になる時は、皆が全てを覚えて出来るようになった時であり、ショーの構成ができた時ではない。
そんな中、今回は本番が終わって動画を観るまではショーの全貌が分からず、期待と不安で一杯であった。だが皆予想以上に本気でやってくれて、ものすごく助かった。やることは決めて、動き方は自由。これがフリースタイラーとのショーの形なのかもしれない。フリースタイルでショーはできる。
また今回は情報量をひたすら詰め込んだが、この中から今後使えそうな演出があればラッキーである。
あとバトルでは一番腑抜けたムーブをしてしまったため、皆に追いつけるよう頑張る。
そして来年のBOTY。開催するかは分からないが、そこを目指して準備を始めようと思う。そしてこのチームにとってこれが、最初で最後のBOTYになるかもしれない。